意志を持って動くことが大切!
「ゴンドラ猫の実験」というのを聞いたことがあるでしょうか?
1963年、アメリカで、2匹の子猫を使った通称「ゴンドラ猫」と呼ばれる有名な実験が、ヘルドとハインという二人の学者によって行われました。
歩けるようになったばかりの2匹の子猫(生後8~12週)が、1日3時間、図のような装置の中に入れられ、互いに繋がれている状態にあります。
片方の猫は自分で動き回ることができますが、もう片方の猫はゴンドラの中に入れられていて、自分で動き回ることができません。
ゴンドラは、自分で動ける方の猫の動きと連動し、点対称の動きをするような仕掛けになっています。
つまり、1匹の猫の見ている景色は全く同じであり、唯一の違いは、自分の「意思」で動いているかどうかだけでした。
さて、この唯一の違いが、2匹に何をもたらしたのでしょうか。
この装置から解放された2匹の猫に一連の視覚テストを行ってみると、驚くべき事実が明らかになったそうです。
自らの意思で動き回ることのできる「能動的な」猫は、この装置から解放された後であっても、視覚が正常に機能しました。
つまり、「世界を知覚する」ことに支障をきたすことはありませんでした。
一方、ゴンドラに入れられ、自らの意思で動くことを禁じられた「受動的な」猫は、見ようとする行為自体を行えたものの、視覚刺激に対して反応することができませんでした。
受動的な「ゴンドラ猫」は、空間認識能力が正常に機能せず、ものにぶつかったり、障害物を避けることができなかったり、リーチも不適切であったり、という状態だったのです。
ゴンドラ猫の実験によって、私たち生物は視覚情報によって空間を認識する能力を身に付けるには、視覚情報を得るだけでは不十分であり、能動的な運動を必要とするということが分かったのです。
つまり、必要なのは自分の「意志」です!
自分の「意思」で行動することで、認識する力が身につく。
この話を聞いたとき、「内申点じゃん!」と思いました(笑)
よくなろう!少しでも成績を上げよう!という意思をもって自ら行動することを、学校の評価では「主体的に学習に取り組む態度」と呼んでいますよね。
私が今回ご紹介したような脳科学を学び始めたのは、後成塾に通ってくれる子たちがキッカケです。
後成塾に通うことを決意してくれる多くの子たちは、毎日机に向かうという経験を、まともにしたことのない子たちです。
そもそも勉強は苦手ですし、大嫌いです。
そんな子たちが、後成塾で勉強をしていると、徐々に活気を取り戻していくんです。
「塾に来たときはあいさつの声も小さく、目も死んでいる子が、なぜ勉強している最中から徐々にテンションが上がっていくんだろう?嫌なことをしているはずなのに・・・」
「なぜ入塾したときと卒業のときで比べると、別人のように進化しているんだろう?」
もちろん、そうなるように働きかけてはいます。
でも、なぜそうなるのか、理屈がわからなかったんです。
再現性はあるのに、説明できないのは、とても気持ちが悪かった。
それが私が脳科学を学び始めた理由です。
自分自身を使って人体実験しつつ学んでいくうちに、いろいろなことがわかりました。
「なぜやる気が出るのか?(やる気が出ないのか?)」
「なぜこの子は成績が上がるのか?(成績が上がらないのか?)」
あなたは、今日ご紹介した「ゴンドラ猫の実験」の話に、どんなことを感じますか?
もしもそのゴンドラが、お子さんにとってゲームやYouTubeだと感じたとしたら・・・・。
残念ながら、お子さん自身がハッと気づいてやる気になることは、宝くじに当たる確率くらい低いでしょう。
たとえ週に1回、2回、塾に通っていても同じです。
まずは、お子さんが自ら行動できる環境に身を置けるような選択を、まずは保護者のあなたが、してほしいと思います。
不器用でも、すぐに結果が出なくても、失敗ばかりでも、行動し続けようと思える心理的安全性が確保された環境を整えてあげることこそが、お子さんの内申点を上げていきます!
お子さん自身が「がんばろう!」と思う意思を持てない塾なら、どんな塾に入れても同じです。
もちろん当塾も含め、です。
お子さん自身が「がんばろう!」という意志を持ち続けられることこそ、初めて金銭的な対価をいただくに値することであると考えます。
内申点アップは、お子さんの「がんばろう!」という意思と、それに伴う毎日の行動の、その先にあるのですから!
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